「私がインドで出会ったもの」 津川 樹(右から2番目)

私がインドで出会ったもの。

ウシ、ブタ、イノシシ、ヒツジ、ラクダ、ゾウ、ヤモリ、サソリ(こわい)、

ハエ(居すぎ)、ゴキブリ(でかい)。

ナン、チャパティー、バナナ、タンドリーチキン、チャイ、ヨーグルト、

カレー、まずいカレー。

サリー、ボンジョビ、鼻ピアス。

VJ、スレッシュ、キーラン、ランチャム、マリーサ、インテリ君。

そして、

ハンセン病の村のひとたち。大勢。

何人に出会ったか覚えてない、名前も、知らない。

相手も私のことは多分、なにも知らないと思う。

もしかしたらもう二度と会うことはないのかも。

相手もそう思っていたかもしれない。

でも、

彼らからもらったものは忘れない。

それは、

見たこともないような笑顔と、その裏にある想像を絶する苦しみ。

彼らは、私がただ好奇心で向けていたカメラにすべてを見せてくれた。

ありのままの彼らの姿を見せてくれた。

撮ってもらいたくて、知ってもらいたくて。

私がそのことに気がついたとき、私は私の写真がイヤになり、写真を撮るのもやめてしまった。今まで撮ってきたものはただの自己満足に過ぎなかったのだ。

けれども彼らはものすごく写真を欲しがり、写真を必要としていた。私の持つカメラを必要としていた。

そしてカメラ越しでしかコミュニケーションをとれない自分というものに、また、嫌気がさした。

泣いて泣いて泣いてわけも分からず泣いて、みんなの前で泣いて、どうしようもなく泣いて、そして、突然分かった。

写真を通じて相手に伝えるということの意味を知った。

写真を撮らせてもらったものへの感謝という言葉を知った。

簡単なことだった。

私は、彼らを撮ることで新しい「自分」と「自分の写真」が与えられた。

写真が大嫌いになり自分も大嫌いになり、そして、写真も自分も大好きになった2週間でした。

その後の2週間はほぼベッドにいなければならないことになってしまったけれども、そのおかげで家にいて落ち着いてインドでのことを振り返ることができたし、作品をつくる時間もたっぷり与えられたので入院して良かったなあ。あー良かった。保険もおりたし。ありがとうAIU。

そして今は、ひとりでも多くの人に写真を見てもらうことがインドの人達への恩返しになるのだと信じ、ひたすら暗室とパソコンに向かう日々。ブログも開設。http://fruitree.exblog.jp/。個展も開催。2月に予定中・・・ぜひお越しください!

インドの人たちへもたっくさんの写真を送るつもり・・・ヒヒヒヒ。それほどわたしが与えられたものは大きかったのです。

インドありがとう。まりちゃん、さとるさん、あやさん、ひろくん、いおちゃん、みおちゃん、じゅんちゃん、ちーちゃん、かやちゃん、のぞみ、さーちゃん、そして、誘ってくれたゆりこ、みんなありがとう。

頭がいたくなるほど泣いて、お腹が痛くなるほど笑った、そんな2週間のアウトリーチでした。

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